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LUNA SEA


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メンバーはRYUICHI(河村隆一:VOCAL)、SUGIZO(GUITAR・VIOLIN)、
J(BASS)、INORAN(GUITAR)、真矢(DRUMS)。
高校の同級生のJとINORANのLUNACY(狂気という造語)というバンドに他のバンドからSUGIZOと真矢が加わり「バンド名をより大きく」という理由からLUNA SEAに改名。
後にRYUICHIが加わり、本格的に活動する事になる。

1989年5月29日に神奈川県・町田プレイハウスで初ライブ。
2000年12月26・27日、東京ドームの【THE FINAL ACT】にて「終幕」。

2007年12月24日に東京ドーム【GOD BLESS YOU〜One Night Dejavu〜】にて7年振りに一夜限りの復活ライブを行う。

LUNA SEA Official Website : http://www.lunasea.co.jp


LUNA SEA LUNA SEA 1991.4.21リリース。

このアルバムは彼らが初めてリリースしたアルバムとなります。
さすがに音はスカスカで勢いと荒々しさで乗り切った感は否めませんが彼らの若い才能がこの時点で十分伺えます。
このアルバムからはFATETIME IS DEADBLUE TRANSPARENCYMOONPRECIOUS...など、インディーズ時代から演奏し、最後の ツアーとなる2000年までプレイされた楽曲たちがあります。

10年以上経ってもデビュー盤の曲が色褪せないのは、ライブの本数を 重ねて、ファンと共に育てて来たからに他なりません。
一番目に彼らのアルバムとしてお薦めするならこれは避けますが、 LUNA SEAを語る上で避けては通れない音源であることだけは確かです。


IMAGE IMAGE 1992.5.21リリース。

インディーズで活躍した彼らがメジャー・デビューを果たしたのがこのIMAGEです。
前作の勢いに偏りがちな演奏から成長し、CALL FOR LOVEのようなスケールの大きい曲を、冒頭に持って来るだけの実力が付きました。
そして楽曲は秀逸。

必ずライブのリハーサルで演奏したというDejavuは定番曲ですし、 INORANのアルペジオが美しいIMITATIONや、前作に未完成のまま 収録したMOONが完全版として再録。
何より彼らもファンも最後まで大事に育てたWISHが収録されています。

しかしレコーディングは相当厳しかったようで、メジャーデビューで 彼らは納得いくまでの音を作り上げる為に、ドラムは1000分の1秒まで こだわってリズム録りしたりで長期レコーディングとなりました。
難産の末、光り続ける名盤が産み落とされました。必聴です。


EDEN EDEN 1993.4.21リリース。

IMAGEの次のアルバムは、非常にポップな曲の構成で仕上がっています。
ちょうどRYUICHIが腰まであった髪の毛を、スタジオ撮影の直前で バッサリ切った頃です。
段々とイメージに縛られるのではなく、自分らしさを押し出して 勝負したい欲求にかられたのでしょう。

ベースが効いたJESUS、アップテンポな曲はBELIEVEIN MY DREAM、 SUGIZOのバイオリンの音色が素晴らしいProvidenceなどが収録されています。
このアルバムのツアーを経て、彼らの実力は非常に上がりました。
その成果は次のアルバムで見事に結実することになります。


MOTHER MOTHER 1994.10.26リリース。

彼らの4枚目のアルバムにして、この時点での最高傑作といえるアルバムが 本作品ではないでしょうか。
1枚のアルバムとしての完成度は恐ろしく高く、LOVELESSで幕を開けて MOTHERで終わる。全体の流れが素晴らしいです。
収録された10曲全てが味があり、いわゆる捨て曲が一つもありません。

LOVELESSは最高のアルバム1曲目だと思いますし、ベースのJが ノイローゼになり、ホームレスまでして自分を見つめ直して書き上げた 渾身の傑作ROSIER、ベースとドラムの重々しいリズムがグルーブを 作り出すFACE TO FACE、一転してアップテンポで カリスマ・独裁者のいびつな世界を唄うCIVILIZE、そして友人の突然の死に 捧げる8分11秒の大作GENESIS OF MIND と続き、ここで前半終了。

これ以降の彼らのアルバムには必ず中盤に「ヘソ」とも言うべき大作が入るようになります。
ノイズと奇麗なアルペジオが絡むAURORA、エフェクトのマイクを使う IN FUTURE、なぜか一度もライブでは演奏されなかったFAKE、 ノンタイアップでオリコンシングルチャート1位を獲得したTRUE BLUE、 そして荘厳な12弦ギターとバイオリンが響き渡るMOTHER
素晴らしい1枚です。これをLUNA SEAのベストに挙げる人も少なくありません。


STYLE STYLE 1996.4.22リリース。

「MOTHER」で確固たる地位を確立した彼らですが、安易な二番煎じを ヨシとせずに「MOTHER」を超える作品を作ろうとします。
これからの彼らは常に刺激を求め続け、敵なき戦いを挑む事になります。
このアルバムはLUNA SEA史上、最もレビュアー泣かせなアルバムでしょう。
おそらく、リスナーの評価が真っ二つに分かれると思われます。
音が重いです。より深く、深い音の世界へと誘われます。

まるでレコードに針を落としたかのようなノイズが曲の冒頭と最後に入る WITH LOVEはわざと古い音質で柔らかな愛情を唄っています。
ギターソロもストリング調です。
一転して現在の音質での爆音で幕を開けるG.、次は爆音ながら曲のテンポはグッとスローになり、 よりヘビーな曲がHURTです。
かつての眩しくて満ち足りた日々、しかしそれは時として刺激もなくなってしまいます。
全てを失うリスクを恐れながら、全てを捨てて新しい環境へ進む事を選ぶ決意が感じられます。
実際に、このアルバムのツアーが終了した翌年、彼らは一年間のソロ活動へと進む事になります。

LUNA SEAでは初めての変拍子の曲がループするアルペジオに乗ってくるのがRA-SE-Nです。 この曲はライブだとテンポをぐっと落としてさらに重さが増します。ライブ版のアレンジは 秀逸なので、後に紹介するNEVER SOLD OUTのライブ版と聴き比べて欲しいです。

LUV UはLUNA SEAで唯一、先行シングルCDリリースのカップリング曲として アルバムに収録された曲です。
彼らはこれ以外のシングルCDのカップリングはアルバムに入れませんでした。
それはシングルCDを買ってくれたリスナーに対する配慮だと思います。
なぜこれだけがアルバムに収録されたのかは分かりませんが、非常にベースの効いた曲で、 愛する相手に対して全てが欲しいと強く願う愛情を唄った曲です。

次の曲がMOTHERに続くアルバムの「ヘソ」のFOREVER & EVERです。
何と10分超の大作です。
間奏ではベースのJが英語詩を喋ります。詩の内容はぜひ歌詞カードを見て訳していただきたいと思います。
また、この部分にかぶせているSUGIZOのギターソロは素晴らしいです。
最後に「叶うなら 見つけたい "Out from my chaos to grace" 何処まで翔べるのか確かめたくて」
と唄っているのが、今聴くと、この時点で自己の可能性を信じて現在の環境から飛び出したいと 強く願う気持ちに感じられます。
彼らの最後のライブの1日目でこの曲が演奏された時は、この時点で「終幕」を唄っていたかのようで ドキッとさせられました。

1999にも英語詩が多く出てきます。女性と男性が英語で語ります。「I need You」で終わり、 次のEND OF SORRWに繋がります。シングルリリース時は「I need You」で始まるので 1999との連作という仕掛けには驚きました。
DESIREは恋に落ちて心を奪われた時の、心を掻きむしられるような気持ちを唄うヒットチューンです。

IN SILENCEはアコースティックギターのピッキングとエレキギターの音色がディレイで 流れる美しい旋律の曲です。ベースとドラムが加わり、最後にまたアコギのみと流れます。
最後は鐘の音が鳴り渡り、荘厳に重々しく始まるSELVESです。最後に美しいアコースティック ギターの音色が空から降ってくるように流れます。

このアルバムは彼らのアルバムを薦めるなら多分最後の方になるでしょう。しかし、聴き込んで 一旦ハマッたら非常に気に入ると思います。
特に洋楽ロックをよく聴き、邦楽ロックをあまり聴かない方には聴いていただきたいアルバムです。


SINGLES SINGLES 1997.12.17リリース。

STYLEのツアーの最終日となる、1996年12月23日の 横浜スタジアムでのライブで彼らは充電期間に入る事を発表しました。
そして1997年は各自がソロ活動をして、個々のグレードを上げる事になりました。
横浜スタジアムの日から約1年後の1997年12月17日に リリースされたのがこのSINGLESです。

このアルバムは、デビューシングルから1996年にリリースされたシングル曲のA面とB面とを まとめた2枚組アルバムとなります。
これだけ時間が空いていて、A面だけとB面だけにしたCDなのに「陰」と「陽」という明確な コンセプトが感じられます。

有名な曲の1枚目も良いのですが、カップリングばかりが並ぶ2枚目もとても良いです。
ディープなファンになればなるほど、2枚目の方が良いと言うと思います。
彼らのシングルのカップリングはスローテンポで暗めの曲が多いのですが、またそれが 味があって非常に良いです。
正直テンポの速い曲はどうとでもごまかしが効くのですが、スローでノリの良い曲というのは そのバンドの力量が問われます。
2枚目の曲目は以下のようになります。

Claustrophobia(C.W:BELIEVE)
SLAVE(C.W:IN MY DREAM[WITH SHIVER])
RAIN(C.W:ROSIER)
FALL OUT(C.W:TRUE BLUE)
LUV U(C.W:DESIRE)
TWICE(C.W:END OF SORROW)
Ray(C.W:IN SILENCE)


いつも「シングルはアルバムへの布石」と彼らは言ってました。
テンポの速い代表曲といえるヒットチューンが大抵A面ですが、それに対して「え?」と いうような曲がB面には入っています。
ヒット狙いがA面なら、自分達がやりたい音楽がB面というような感じでしょうか。
いやもちろん全ての曲が自分達がやりたい曲だったと思いますが。

また面白いのが、LUV U以外はカップリングはアルバムに収録されませんでした。
それについては、シングルを購入してくれたファンに対する気持ちなのか、単純に アルバムの世界観にそぐわないで外した曲から、良いものをB面に入れる事で 発表したのかは定かではありません。

しかし改めて聴いてみて驚くのは楽曲のクオリティ。
久しぶりに聴いたFALL OUTはINORANのアルペジオのイントロからJの協力なベースが ぐいぐい引っ張り、SEにヘリコプターのプロペラ音などの重低音が非常に効いた曲ですし、 Claustrophobiaは本当に淡々と進行する曲です。
他の曲もアルバムに入れても良いのにと思う佳曲揃いです。

初めての人や、あまり聴いていない方は1枚目から、ヘビーな方は2枚目をおすすめしたいアルバムです。


SHINE SHINE 1998.7.23リリース。

1997年はLUNA SEAとしてではなく、5人それぞれが ソロ活動をする事になりました。
バンドの時には各自やらなかった事、できなかった事を それぞれする事で個人としての責任も背負って、再び集合しました。

各自が曲を持ち寄って、プリプロをしてレコーディングに入り1998年にリリースされたのが、このアルバムです。

再生すると最初は時計の秒針の音が聴こえて、そこから心臓の鼓動が聴こえて ベースの音と小さなギターの音、かすかなRYUICHIの唄声で始まるTIME HAS COME
徐々にメンバーが集まってきて、大きなうねりで爆音になり新しい時を告げる曲です。
この曲からSUGIZOのギターソロは全開です。

次は復活第一弾シングルのSTORMです。

手を伸ばさなきゃ あの光さえ 掴めない
だけど僕らは 離れたりはしない


この歌詞に当時のファンは勇気づけられたと思います。

次の曲はNO PAIN。世界平和や戦争の事を歌っている曲だと思います。
間奏の英語詩では「争いはさらなる争いを生み出してしまうから」というような事を 歌っています。
SUGIZOがちょうどこの頃子供が産まれたので、親になり世界の平和などを 強く願うようになったので、その影響が色濃く出ている曲だと思います。

そしてアルバムタイトルにもなった第二弾シングルのSHINE
一番この年のLUNA SEAを象徴する曲です。各自の中で溜まっていたものを ソロ活動で吐き出してきて、すっきりしたからか、歌詞も曲も とにかくポジティブです。
サビの中で、ギターとベースの3人がコーラスをするのですが AEROSMITHのようにJとINORANが1本のマイクスタンドに顔を寄せて コーラスする場面があり、ライブでは二人のファンは大喜びでした。

そしてこの年で一番ヒットした、彼らを代表する曲となったI for youです。
金城武主演ドラマのタイアップという事もあり、アジアでも曲の知名度は 飛び抜けて高かったです。
彼らのシングル曲というとROSIER、TRUE BLUE、DESIRE、END OF SORROW、STORMと アップテンポな曲が多いのですが、バラードの曲が広く認知されたのは 彼らの演奏力やRYUICHIの歌唱力と、ソロで知名度が格段に上がって一般層にも 聴かれるようになったからでしょう。

ここまで5曲でシングル3曲が出てしまいました。13曲入りのアルバムで この構成は普通ならありえない事ですが、彼らは先にアルバムの曲や 順番を決めてからシングルをリリースするので、シングル単体ではなく アルバムとして聴いた場合で考えての順番でしょう。

次はUnlikelihoodです。ある意味このアルバムの中で一番ソロ活動の 成果が出ている曲だと思います。
ベースのJがサブヴォーカルを担当してRYUICHIと交互に歌う曲です。
Jのベースはかなり攻撃的。そして英語詩もかなり良いです。

次の曲はANOTHER。ここ何枚かのLUNA SEAのアルバムの構成でいう 「ヘソ」がこの曲です。7分超の大作です。
そしてこの曲では初めてRYUICHIとメンバー以外の人が歌います。
外部の女性ヴォーカルの声を入れて、彼女のパワーボイスとRYUICHIがバトルしています。

アルバムの折り返し地点を過ぎ、後半のナンバーへ。MILLENNIUMです。
ギターのストロークでグイグイ引っ張るタイプの曲です。
次はBROKEN。決して失ってはいけない自分らしさを大切にして欲しいと 訴えかける曲です。

次はVELVET。今までの彼らにないタイプの曲調の楽曲です。
そしてLove Me。STORM、MILLENNIUMと同じようにギターのストロークで 疾走するナンバーです。

ここでBREATH。これはINORANの原曲です。
彼らしい曲で、彼はシングルのカップリングになる曲で、いわゆる華がない 曲が多いのですが、これは名曲です。
彼の原曲で、アルバムに入る曲は本当に他の曲と違う空気を持っているので スパイスの役割を果たしています。
EDENに収録されているRECALLと並べて聴くと、この曲の浮遊感がより一層 強く分かるかと思います。

このアルバムの最後はUP TO YOU
間違いなく名曲です。Jの原曲のようですが、バンド全員で素晴らしい曲に 仕上げています。王道のバラードです。

夢を見続けて 走り続けた    夢を見続けて 終わりはないから
雨に打たれても 夢が滲んでも  明日を信じて この手は話さない


これからの明日へ向かって、前向きにひたすらポジティブな曲です。

さて、このアルバムは悪くないのですが、色々と気になる点もあります。
ソロ活動で各自のグレードは上がって、その成果をバンドに還元しようと 色々な曲を作って、CDの容量一杯になるまで曲を詰め込んだ感があります。
今までのLUNA SEAにあった重々しい雰囲気は影を潜め、前向きで明るい 曲達で全体を通して構成されています。

アルバムを通しで聴いた場合、同じ収録時間でもすんなり聴ける場合と 中だるみに感じる場合があります。
このアルバムはどちらかというと後者にあたるのではないかと思います。

他のバンドで言えば、AEROSMITHのNine Livesというアルバムと同じタイプのアルバムです。
※これはAEROSMITHのアルバムレビューでいずれ紹介します。

例えば、LUNA SEAらしい疾走感のあるナンバーにしても1つのアルバムに3曲も入れなくても良かったかもしれません。
シングルカットで発表したSTORMだけの構成でもすっきり聴けたのでは ないかと思います。

そういう意味での「引き算」をしても良かったように感じます。
活動再開して注目度が高かった当時だから、曲をストックしておいて すぐにまたアルバムを出しても良かったように思えます。

当時別のバンドはアルバム2枚同時リリースなどをしていました。
プロモーション的にはその方が断然良かったでしょう。
しかし彼らはそれをやらずに、次のアルバムまで2年以上時間をかけてしまいました。
それも彼ららしいといえばらしいですが。

彼らの代表作となるはずだったアルバムですが(セールスは良かったですが) コアなファンの中では1番、2番にはなかなか上がって来ないアルバムで 非常にもったいないなぁ、という気持ちになってしまう作品です。


NEVER SOLD OUT NEVER SOLD OUT 1999.5.29リリース。

これはLUNA SEA版「SOUTH OF SANITY」です。

SOUTH OF SANITYとは、AEROSMITHのアルバムで 1998年にリリースされたライブ盤です。
会場も収録日時もバラバラな曲を集めて1つのライブ盤の ようにした、遊び心満点のアルバムです。

1998年の年末をアルバム「SHINE」のツアーで飾った彼らは、 1999年の年始は初めての海外公演に挑戦しました。
香港、北京、台北と三都市でライブを行い、それから表舞台には 出て来ませんでした。
沈黙を破ったのは1999年の3月頃。
NEVER SOLD OUTCAPACITY∞という謎の言葉が発表されました。
何かと思っていたら、NEVER SOLD OUTは初のライブアルバムで、 CAPACITY∞とは10万人規模の野外ライブでした。

そしてNEVER SOLD OUTはLUNA SEA結成10周年の1999年5月29日に リリースされ、翌日の5月30日にCAPACITY∞は行われました。

このアルバムは2枚組です。
1枚目はLOVELESSから始まりMOTHERで終わり、2枚目は Time Has Comeから始まりUP TO YOUで終わります。
2枚でMOTHERとSHINEのアルバムツアーを疑似体験できるような構成になっています。
それでも、東京ドームで演奏されたLOVELESSの後は鳥取で演奏された Dejavuに雪崩れ込んだりで、冒頭で言ったように会場も収録日時も本当にバラバラです。
終幕のライブでも演奏された定番のナンバーもあれば、もう演奏されなくなって久しい過去のナンバーもあります。
近年の、緻密に音を積み重ねたような曲もあれば、デビュー当時のロックの 初期衝動で荒々しく演奏されるような曲もあります。
RYUICHIの声もデビュー当時から、ソロ活動を経てからの1998年頃と まるで別のヴォーカルのように変化しています。

それでも曲と曲のつながりに違和感を感じないのは、彼らはデビューからどんな会場であってもそこをライブハウスにしてきました。
会場に来た観客一人一人全員と積み上げてきたライブの空間が共通して存在していたからに他なりません。

私が特に好きなのは1枚目はSANDY TIMEProvidenceSILENT NIGHT〜MOONで、2枚目はRA-SE-Nです。
SANDY TIMEはエンドレスなベースがアルバムよりも更に続きます。
ProvidenceはSUGIZOのバイオリンとINORANのアルペジオが非常に綺麗です。

SILENT NIGHTは横浜スタジアムの活動休止前のライブ「真冬の野外」で アンコール前に観客が合唱して、そこで長らく封印されていたMOONが 演奏されました。
この時の観客の唄声はメンバーも感激していたので、それを収録したのは ファンへのお礼だったのかもしれません。

RA-SE-Nはアルバムではメトロノームのように定期的なリズムで 曲が進みますが、ライブではものすごくゆっくりと横にうねるような 重々しいリズムで演奏されます。
間奏やギターソロが長いのが特徴で「原曲は産まれたての子供、ライブで 俺たちとみんなの間で成長していく」というような事を聞いた事が ありますが、まさにRA-SE-Nはその通りです。

ビジュアルばかりが当時は注目されていましたが、しっかりと「曲」で 観客を魅了できたライブバンドだという事を認識するのにも良いですし、 単純に彼らのライブを予習するのにも良いアルバムでした。
(今もLUNA SEAとしての活動が続いていれば、ですけれども)

ちなみに、CAPACITY∞とその後のMUSIC STATIONの緊急出演、年末の GLAYとの対バンのTHE MILLENIUM EVE以外は、一切彼らは表立った露出は ありませんでした。
彼らは次のアルバムに向けて、無期限のレコーディング作業へと深く、深く 没頭していったのでした。


LUNACY LUNACY 2000.7.12リリース。

「いったいこれは何なんだ!?」というのが第一印象です。
今までの彼らのアルバムは、ポップになったり凄く アナログの音っぽくなったりして、全く違う世界観の アルバムをリリースしてきましたが、最新アルバムの LUNACYはそれらの曲や、世界観とは全くの別物に なってしまった印象がありました。

今までが「進化」というなら、これは「突然変異」でしょう。
「今のLUNA SEAの限界を見たい」とJが口火を切って始まった無期限の レコーディング作業は1999年から2000年にかけて延々続きました。
1999年末にGLAYとの対バンを行った時は、今までのLUNA SEAの曲だけで 新曲の発表はありませんでした。
突然変異の片鱗を感じたのは2000年の元旦。
世間が2000年問題に揺れる中、24時ジャストにZEPP TOKYOで開始した ライブ「START UP GIG」で新曲が3曲も披露されました。

それらの新曲をスカイパーフェクTVの映像で観ましたが、総毛立ちました。
今までの曲とは全く違うものを感じました。
007の映画に使われたSweetest Coma Again、続いてMy Lover、そして 彼らが2000年の曲の中で一番と言うgravityの3曲です。
3月にgravityが、5月にTONIGHTが発売されました。それらの曲が アルバムの中核を担っていると思っていました。LUNACYを聴くまでは。

今までの彼らの曲は原曲が誰のものかが、比較的容易に分かりました。
メンバー全員がソングライティングの才能を持っているので、曲も バラエティに富んでいました。
しかし、今回のLUNACYに収録された曲達は、原曲が誰かが分かりにくいです。
デビューからしばらくして「作詞・作曲:LUNA SEA」と書かれるように なりましたが、今回ほどそれを強く感じた事はありませんでした。
今までは5人の出す音が、個性が主張してぶつかり合っていたのですが、 もう今回の曲達はそれらが完全に「融合」しています。
ベースも、ドラムも、ギターも、ヴォーカルも、全てが融合しています。
これほど完成度の高いアルバムにはなかなかお目にかかれません。

最高傑作にして、最後のオリジナルアルバム。
これを作り上げてしまったら、今の彼らはもうこれ以上のものを作る事は 無理と思ってしまったのでしょう。
彼らは奇跡のような名盤「MOTHER」を作り上げてしまったばかりに、 常にMOTHERを超えるアルバムを作る事のプレッシャーと戦い続ける事に なりますが、LUNACYは間違いなくMOTHERを超えました。
全く別次元の物になってしまったと言っても良いでしょう。
しかし、皮肉にもその先には「終幕」が待ち受けていました。

Be Awakeは今までの彼らの代表曲であるDejavuや、BELIEVEのような 疾走感のあるポップな曲調です。

一転してSweetest Coma Again(Feat.DJ KRUSH)は重々しいギターと ベースが絡み付くヘビーな曲です。その中でヴォーカルに絡み付くような SUGIZOの高音のギタープレイとJのベースプレイは必聴です。
ライブではSUGIZOが腰をクネらせてエロくプレイするのが必見でしたf(^^;)
DJ KRUSHのスクラッチも素晴らしいです。

そしてgravity。普通にさらっと聴くと普通のミディアムテンポの曲に 感じるかもしれませんが、今までの彼らの曲とは別物に感じます。
実は60トラック以上も使っている、音の洪水と言ってもいい曲で、 聴き込む度にいろんな表情を見せる曲です。
RYUICHIにしても今までの唄声ではなく、少し低めのキーです。
MOTHERもそうですが、この曲を最初に作ったのはINORANです。
あまり目立たないポジションの彼ですが、実は物凄い才能の持ち主です。
彼がいる事で、爆音の洪水の中でも単音が際立っています。
2006年現在、彼の才能はTourbillonで開花したと言って良いでしょう。

KISS(feat.DJ KRUSH)はもうファンク。
そして延々ループされるようにプレイされるJのベースにエロティックな 歌詞、そして女性のささやき声が乗せられていきます。
DJ KRUSHのスクラッチがここでも炸裂しています。

4:00AMは静かで透明感のある曲です。
イントロに携帯電話の電子音が鳴る仕掛けがありますが、聴き込んだ 私はこの電子音が街で鳴ると、この曲を思い出してしまいます。
きっとそういう体験をされた方もいらっしゃると思います。

VIRGIN MARYはアルバムのヘソで、9分超えの大作です。
荘厳な雰囲気のナンバーで聖母マリアへ問いかける曲ですが 静かな序盤から中盤の激しいプレイ、そして終盤は再び静かになり そして曲は終わりますが、数秒の無音の後で女性の笑い声が入ります。
これは普通に聴いてたら気付かないくらいの、小さな声です。

white outは初めてライブで聴いた時はBEATLESのHere Comes the Sunに 似た、とても暖かみのある曲だと思いました。
河村隆一のソロのような、あまりバンドサウンドが強調されていない感じでも ありますので、最初に聴いてみるのはこの曲が無難かもしれません。

そしてその次がa Visionです。
4:00AM〜white outで落ち着いた曲が続いたところで、ここから一転して 猛爆のような曲に雪崩れ込みます。ぜひ大音量で聴いてもらいたい曲です。
JとSUGIZOのバトルも素晴らしいです。
この曲は中盤のJの英語詞が秀逸です。まさにROCK SPIRIT。
「富も名声も手に入れた。敵も出来て痛みも負った。
 それがどうした?しゃらくせぇ!」
といったところでしょうか。

FEELは幾分テンポがゆっくりめですが、重々しい曲です。
その中でギターのプレイにぜひとも注目してもらいたい曲です。
降り注ぐような音だったり、激しくかきむしるようなプレイだったり 水の波紋のような音だったりと非常に聴き応えのある音色です。
終盤のSUGIZOのバイオリンの美しいソロは、ライブではギターソロに 変更されていました。

そしてTONIGHT
INORANのギターストロークで始まり、ずっとそのコードが変わらずに 最後までグイグイ引っぱります。
演奏時間3分。もう勢いで突っ走る曲。ロックの初期衝動を表しています。
ライブでは曲が終わった後で再度プレイが再開されて、ずっと 曲が続くように錯覚した覚えがあります。

最後はCrazy About You
ロックな王道バラードです。UP TO YOUに近い感じの曲調で、最後は メンバー全員のコーラスにSUGIZOのギターソロで昇華する名曲です。

全部で11曲、58分のこのアルバムは捨て曲が1曲もなく、恐ろしい程の 完成度で仕上がっています。
長過ぎずダレる事もなく、最後まで聴けて素晴らしいと思います。
確かに2000年の時点ではこれ以上のアルバムは作りあげるのは無理だと 思ってもおかしくありません。

「10年後に聴いても古くささを感じないものを作りたかった」と メンバーが言ってましたが、6年経った今聴いても全く古くささなど 感じません。最高傑作です。
もっとツアーでプレイして、どんなアレンジになるか聴いてみたかったのが 残念でなりません。


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